商品解説文
先尾翼機とも呼ばれるエンテ式の航空機は、奇異な印象を受ける機体ではあるが、世界初の飛行機
であるライト・フライヤー1号もエンテ式に分類され、その歴史は航空機創成期にまで遡る。
牽引式と呼ばれるプロペラを機体先端に装備する形式では機体の高速化には限界があるとして各国で検討
が行われ、日本海軍では1944年に米軍の長距離爆撃機による本土空襲に対する迎撃機として重戦
闘機の開発が九州飛行機に命じられ、十八試局地戦闘機として空技廠との間で開発が始められた。
試作1号機は翌1945年6月に完成し、テスト飛行が実施されたのは終戦直前の8月3日であった。 |
商品解説文
機体中心に大口径の固定火器を集中配置出来るエンテ式戦闘機は、防戦一方となったドイツ空軍
にも理想的な迎撃戦闘機の一形態であった。機体中心に火器を集中するというレイアウト自体は新
しいものではなく、Bf110等の双発機で既に実証済みではあったが、機体の大型化により戦闘機とし
てのバランスは必ずしも良いものではなかった。
エンテ式の採用は戦闘機としての高い機動性と高速性能をもたらすと考えられ、ジェットエンジンを
搭載するエンテ式戦闘機もヘンシェル社では検討されており震電の技術供与があったとすれば
十分な戦力として連合軍の重爆に抗したかもしれない。
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