製 造

【 彩色指示 】
今回の企画に限らず彩色済完成品フィギュア系商材の生産は、ほぼ100%と言って良いほど
海外で行われています
これは成型後に彩色、組立てといった加工が必要な商品の場合、人件費が安価な海外生産拠点で生産を
行った方がコストを抑えることが出来るというメリットがあるからです

余談ですが、プラモデルのように射出成型機から取り出した成型品を二次加工することなく袋詰めし、箱に入れる
という生産工程の場合はコストも安価で済むため、生産数量に対する輸送コストと照らした場合、運賃の方で足が出る という事も稀ではありません
製造業の多くが海外に生産拠点を構える傾向に対し模型の国内生産率が高いのはそんなところにも拠るのです

12億と言われる世界最大の人口を擁する中国では工場で働く工員数も多く、複雑な工程も人海でこなす
というのが基本ではあります
彩色についてはマスク塗装と呼ばれる方法での塗り分け塗装が多く用いられます
これは成型品の表面にフィットする形状に打ち出され、彩色を施す部分だけ穴が開いた金属板で成型品の表面を
覆いエアブラシで吹き付け塗装していく方法で、模型で言うところのマスキングと同等のものと言って良いでしょう

吹き付け 手塗り
左画像は塗装ラインでエアブラシを用いて吹き付け塗装を行っているラインです
塗装工さんの前に開いている塗装ブースに向かい吹き付け塗装を行っていきます
生産工程上複数の彩色があるものは1本のエアブラシにつき1色を割り当て色数の分だけ人手を割いていきます

右画像は筆塗りの彩色ラインで、細部の塗装では塗装工さんがじかに着彩していきます
よく「中国の塗装ラインでは、おばちゃんが四本の筆を指の間に挟み彩色していく」という話しを聞きますが
実際に各指の間にこそ挟んではいないものの、塗料皿を前に置き、四本の筆を手にパーツ表面に塗装を
行っている光景はまさに驚異ではあります

タンポ印刷機 タンポ機の群れ
生産に於ける彩色には塗装だけではなく、タンポ印刷と呼ばれる方法も多く用いられます

左画像がタンポ印刷機で、この機械では抱き人形の目の彩色を行っているところです
画面中段の3個並んだ牛の乳房のような部分はシリコンゴムのような軟質のラバーでその先端に塗料を付け
押印するようにパーツ表面に着彩していく仕組みになっています
右下の茶色い塊をよく見ると人形の顔型が見えますが、これはタンポのズレ、はみ出しが無いように設置された
マスク型で、このマスク型の下に実際のパーツがおさまっています

上から押し付けるように塗料を乗せていくのがタンポ印刷の基本的な機構になりますので
パーツの立ち上がり面や深いモールドの底面への着彩等、タンポでは彩色が行えない場合も現実にはあります

栄進堂さんの工場には多くのタンポ印刷機が並んでいます(右画像)
大きな曲面へのタンポも可能、という独自のノウハウを栄進堂さんは持ってらっしゃるとの事で
今回の企画では細かい迷彩塗装の表現やマーキングではその力を十二分に発揮していただけるはずです

さて、中国での彩色にあたり「こう塗って欲しい」という意図を正確に伝えるには彩色見本が必要になります
塗り分けのパターンや各色の色調といったものは実際に塗装したサンプルを工場に送り、それを見本として
各色の調合、塗装パターンを確定していくというのが間違いない方法となります

今回は各色の色調については模型用の塗料で作ったカラーチップを私の方から渡し、塗装パターンについては
栄進堂さんで彩色見本を作り、中国へ送る段取りを取りました

以下の画像は栄進堂さんが中国へ送った彩色見本の画像になります

【 Ho229 】
Ho229 彩色指示1 Ho229 彩色指示2
Ho229 彩色指示3 Ho229の各カラーバリエーションで肝になるのは、
やはり「蛇行迷彩」の表現になります
理想はエアブラシで吹き付けたような縁がぼやけた
線状の模様なのですが、それをどう表現するか
線が交差するためマスク塗装で、というのはマスク型
を相当数用意しなければ物理的に難しい
ひとつづつ手吹き・・・というのはバラツキが生じやすく
一定のクオリティを保つのが実に困難
という事でタンポ印刷による上面全面にパターンを印刷
する事になりました
その際に線の縁をぼかせるかどうかは更に検討

【 Me P.1101 】
P.1101 彩色指示1 P.1101 彩色指示2
P.1101 彩色指示3 P.1101の迷彩、と言うよりもドイツ機全般の迷彩表現で
困難が予想されるのが機体側面の濃密なモットリング
ではあります
方法としてはタンポ、もしくは手塗りというのが現実的な
方法になるのではないかと思われます
実際に工場で彩色を施してみてより良い方法を採る
ということで、とりあえずは工場彩色サンプルを待つ
事になりました
グラーフ機については垂直尾翼のキルマーク、機首の
赤いチューリップに赤い狩人と、色数も多いため、ズレ
ないように合わせてもらうのも最重要案件ではあります

【 Ta283 】
Ta283 彩色指示1 Ta283 彩色指示2
Ta283 彩色指示3 Ta283はベール機がP.1101同様に細密なモットリングを
施さねばならない点がポイントになります
長大な機首、大きな垂直尾翼と、塗装の出来不出来が
判り易いだけに細心の注意が必要であると思われます
昼間迷彩塗装についてはBf109K-4などに見られる
塗り分けがはっきりしたパターンを採用しているので
スポットについてはボカシ要素をほとんど考えずに
いけそうなのでこれはこれで良し
高高度作戦機塗装については、まぁ、単色なので防空
識別帯が誰かさんの図版のようにズレていなければOK

【 Triebflugel 】
Triebflugel 彩色指示1 Triebflugel 彩色指示2
Triebflugel 彩色指示3 トリープフリューゲルについてもJG400の機体の胴体
部分には濃密なモットリングが施されて・・・(以下略

特にこの機体は他の機種の迷彩と違って帯状に塗装
された面が無く斑点のみで機体上面(?)が覆われて
いるため、その密度によっては下地のRLM76が透けて
見えて来ることも十分に考えられるため、最も注意を
要する機体ではあります

ヴァイゼンベルガー機の幹部記号が画像ではよれて
いますが、ここも製品版ではタンポで処理しますので
しっかりと横棒(?)は描かれるはずです

ちなみに、カラーバリエーションの頁で示した図版と
異なり、画像では回転翼基部のリングのところには
彩色が施されていませんが製品版でこの位置に
彩色をかけるのは難しい、という見解によるものです

こうして確認した彩色見本は注意事項と併せ、中国の工場へ送られ、
彩色見本に順ずる形でテストショットに実際の手順を想定した上で彩色を行ったサンプルの仕上がり具合を
確認した後に工場側の生産手順と彩色工程の確認が行われ、彩色ラインが組まれる事になります
もちろん工場の方で製作した彩色サンプルで十分でない点があればリテイクを出し、修正手配を行い本来の仕様
で商品化できるよう双方のやり取りが交わされることになります


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